可動式パーツ!ブロックの発想に至るまでの背景

『Fall Guys』シーズン2が世界に向けて配信され、中世をテーマにした悪ふざけの数々がサンザンダードームにつまずきながらやって来ました。勇敢なジェリービーンズたちは、いたずらや裏切りが満載の新しいラウンドに挑戦することになります!新しい2つのラウンドでは、可動式ブロックという斬新なメカニズムがプレイヤーに挑戦を仕掛け、プレイヤーは少しの間だけ協力しあったり、あるいは邪魔したりできます。私たちはゲームデザイナーのベン・ニザンに、ブロックを発想した背景、ラウンドのデザインプロセス、勝利するための制作者側からのヒントについてうかがいました!

ベン・ニザン / 2020年10月16日

「フープ・ループ・レジェンド」と「ウォール ガイズ」

実を言うと「ウォール ガイズ」は、最も古いレベルのアイデアの1つです。これはシーズン2で取り上げた中世のテーマにぴったりであり、また、過去の楽しい思い出でもあります。リードデザイナーのメグ(メガン・ラルフ)が最初のアイデアを提案したとき、ゲームラウンドと動くブロックのメカニズムにとてつもない可能性があるだろうことは一目瞭然でした。とは言え、実装するという視点から最初のスケッチを見たとき、私たちが感じていた興奮と恐怖の割合は半々だったと言えます!

本質的な「ウォール ガイズ」のコンセプトはとてもシンプルですが、ネットワーク化されたゲームとしては技術的に難しいものでした。最初のプロトタイプを作ったとき、うまくいったこと自体に皆が驚いたことを覚えています。「うまくいった」と言うとかなり誇張しているかもしれませんが、このアイデアを追求する価値があることを証明してくれました。

当初はプレイヤーが同じ大きさのブロックを積み上げて、壁を越えられるようにすることを考えていましたが、最初のプロトタイプの段階で、ハチャメチャなジェリービーンズの集団には無理な要求であることが明らかになりました。そのため、よりシンプルにするためにブロックの高さを変え、ジェリービーンズが登りやすいようにしました。もっといたずら好きなプレイヤーが引き起こすことへの対策として、 シニアデザイナーのペップス(アンソニー・ペッパー)は、 時間の経過と共に壁が少しずつ低くなっていくというコンセプトを加えました。こうすることで、特に問題のあるジェリービーンズのグループが他のプレイヤーの進行を妨害したとしても、チャレンジの難易度が徐々に下がることになります。

「フープ・ループ・レジェンド」(以前は「Hoops Blockade」と呼ばれていたラウンド)はその後登場したもので、可動式ブロックのアイデアが実現可能なメカニズムであることを確信してから作業が進められました。シーズン1の「フープ・ループ・ゴール」のように、リングを使った得点方式を復活させ、それを基礎にしたアクロバットショーのようにプレイできるレベルを作ったら面白いのではないかと思ったのです!プレイヤーが中世をモチーフにした小道具を動かし、中世のコスチュームで空中にジャンプするなど、中世というテーマにもぴったりだと思いました。

プレイヤーが協力してブロックを動かすことを想定していたので、最初はチームゲームになるだろうと考えていました。もちろん、サンザンダードームでプレイしたことがある方ならお分かりだと思いますが...そんなことは起こるはずがありません!その結果、私たちは初めてポイント制のソロラウンドに挑戦することになったのです!ブロックはレベルに特別な要素を加え、一人で勝利を目指すことが、ブロックを動かす効果ををさらに際立たせました。要するに、シーソーゲームの「秘密のソース」に、さらにスパイスを加えたのです。

シーズン1でも目にしましたが、短い間でも行き当たりばったりでプレイヤー同士が協力し合う場合、うまくいったときには非常に満足感があり、失敗したときには、遊びとは言え、とてもイライラします。ゲームデザイナーとして、私たちはプレイヤーの感情をかき立てる努力をしていますが、誰かと組んでブロックを動かし、ブロックからその誰かを突き落とすことほど感情に訴えるものはありません。裏切りとはこのうえなく甘美なものなのです。

ジェリービーンズとブロック:可動式の部分がサンザンダードームをどのように楽しく混乱させるのか

シーズン2の可能式のブロックと傾斜台の素晴らしいところは、プレイしている環境をプレイヤー自身がダイナミックに変更できることです。このレベルではブロックを掴んで移動させることができるため、レベル内の流れが常に変化していきます。このゲームに取り組んでいると本当にワクワクさせられます。というのも、全ての変化はプレイヤーが置かれた環境でどう振る舞うかによって直接生まれるものであり、私たちが決定しているわけではないからです。プレイヤーの「力」によるものなのです!

特に特徴的なのは、可動式のブロックが物理学に基づいていることで、サンザンダードームという空想の世界にもかかわらず、皆さんの予想通りに動きます。2人のプレイヤーが反対方向に引っ張れば、ブロックは動きません。反対に、2人のプレイヤーが同じ方向に引っ張ると、2倍の速さで動きます。多くの人がブロックの上に立っているときに、ブロックを引っ張ったことがありますか?幸運を祈ります...!可動式ブロックの物理学的特性は、予想外の相互作用を生み出す素晴らしい試練を提供します。これは本ゲームの他の機能には見られないものです。また、他の多くのゲームとも全く異なります!

パーツを思ったように動かすことは構造的にかなり難しかったので、シーズン2までは導入することを控えていました。30名以上のプレイヤーが同時にブロックを掴んだり登ったりすると、ゲームを進めるうえで非常に大きな負担がかかります。そのため、みんなでブロックを掴むと、ブロックにキャラクターがくっ付いたまま一緒に飛び出して行ってしまうなど、面白いバグも発生しました!こういうバグを目にすることは、おそらくもうないと思います。願わくばの話ですが。

制作側からのヒントと『Fall Guys』の未来...

「ウォール ガイズ」では、各プレイヤーはゴールに到達するという共通の目標があるので、そのラウンドでだけつかの間の同盟を結ぶ傾向があります。ただし、中には自分が成功することだけに集中して、他のプレイヤーの邪魔をしようとする人もいます(*咳払い* ひどいことだとは思いませんが、とりあえず謝っておきます)。ラウンドをクリアする可能性を高めるには、プレイヤー同士で非公式に協力し合うことをお勧めします。最初は逆効果に思えるかもしれませんが、熱心なプレイヤーたちが数人協力してブロックを動かすことで、一匹狼のプレイヤーに勝つことができます。また、ジャンプ+ダイブの後で、そのまま壁の縁を掴むことができるのをご存知ですか?ぜひアクション映画のような動きに挑戦してみてください!

一方、「フープ・ループ・レジェンド」では、新しいリングが現れるたびに、目標が変化していくことになります。これはチャンスをうまく掴むことができるプレイヤー向けのラウンドで、そういう意味では「ウォール ガイズ」とは正反対のゲームとなります。騎士道精神にあふれる聖騎士は、アリーナの誰もいないエリアのリングやブロックに注意を払い、それらに狙いをつけることで議論の余地のないポイントを稼ぎます。悪い魔女の場合は、ブロックの位置を移動させるプレイヤーの動きに目を光らせ、彼らがブロックに登る前に、リングを横取りしてしまいます!では、アクロバットを得意とする道化師たちはどうすべきでしょうか?できるだけ、柱や跳ね橋に登ることをお勧めします。そういう場所には、貴重な金のリングが現れる可能性が高いのです。それに、落下するのがもっと面白いです!

デザインチームは、皆さんがどのようにブロックを動かしてプレイするのかを見ることにとても興味を持っており、シーズン2でコミュニティの皆さんが、変わった方法や素晴らしい方法でブロックを動かしているのを見て楽しんでいます!私はコミュニティの皆さんからのフィードバックに常に耳を傾けていますから、もしかすると将来的に皆さんのアイデアが新しいラウンドに登場するかもしれません。(シーソーゲームと組み合わせるなんてことも?もちろん皆さんも気に入るはず...ですよね?)

現在配信中の『Fall Guys』シーズン2には、PS4Steamでダイブすることができます!中世の素晴らしいテーマについては、私たちのお知らせブログで詳しくご紹介しています。ここでは新しいラウンドや遊び心溢れるコスチューム、よりスムーズにつまずくためにコミュニティからのフィードバックを反映させた変更点などを取り上げています。『Fall Guys』の最新情報はすべて、私たちの(非常に刺激的な)Twitterアカウントでチェックでき、『Fall Guys』のDiscordサーバーでは、素晴らしい仲間たちとのディスカッションにも参加できます。