ジェリービーンズの舞台裏:「雪玉サバイバル」の秘話

『Fall Guys: Ultimate Knockout』のシーズン3.5のミッドシーズンアップデートがSteamPlayStationで本格的に始まり、プレイヤーはサンザンダードームに追加された大騒動の最新ラウンド「雪玉サバイバル」に取り組み始めています!このラウンドの生みの親である並外れたジュニアゲームデザイナーのマックス・ボイルさんから、プレゼンテーションの過程、雪玉の秘密、そして(もう少しで諦めるところだった)ラウンドについて話を伺いました。

マックス・ボイル / 2021年2月5日

こんにちは!まず最初に、私とMediatonicの素晴らしいスタッフ一同は、皆さんが『Fall Guys』のミッドシーズンの配信で最高の時間を過ごし、熱に浮かされた夢のような「雪玉サバイバル」のハチャメチャを克服すべく最善を尽くしていることを願っています!このラウンドの作成者として、どのように実現したのかその経緯を簡単にご紹介したいと思います。それでは、始めましょう!

ゴーサインが出るまで - 『Fall Guys』のラウンドを形作るものとは?

サンザンダードームを彩る『Fall Guys』のラウンドは、(残念ながら日の目を見ることのないものも含めて)全て同じ工程を経て磨きがかけられます。リードゲームデザイナーのジョー・ウォルシュ(私たち全員のアイコン的存在です)は、「レベルの柱」と呼ばれるものを生み出しました。

これは、私たちが作成するすべてのラウンドで到達すべき理想の基準であり、「雪玉サバイバル」も例外ではありません。そして、『Fall Guys』のラウンドを構成する秘密の要素は以下の通りです…

  • スキル80%、ハチャメチャ20%

    すべてのレベルにおいて、熟練したプレイに見合った報酬が提供されているとプレイヤーに感じさせつつ、同時に『Fall Guys』特有のハチャメチャ感を維持する必要があります。

  • 盛りだくさんのドタバタ喜劇のような瞬間

    私たちは、各レベルでユーモラスな瞬間と双方向性を提供したいと考えています。GIF加工になるような瞬間を生む独創的な障害物から、プレイヤーから愉快な結果を引き出す構造まで、一つ一つのよろめきが重要なのです!

  • 最後まで何が起こるかわからない

    「ペンギンチェイス」の最後の数秒であろうと、危機一髪でハンマーから逃れるところであろうと、『Fall Guys』のラウンドには、「クリアできるのかな!?」と感じさせる緊迫した瞬間が必要です。

  • 多ければ多いほど楽しい

    すべてのラウンドはプレイヤー数に制限がありますが、参加するプレイヤーの人数が異なっていても、ラウンドのコンセプトが機能するように常に注意が払われています。言い換えれば、他の人々とプレイする場合、特にフレンドと一緒なら、より素晴らしい体験になります!

  • さあもう一度!

    私たちが心がけているのは、何度も繰り返しプレイすることができ、その都度同じように楽しめるようなラウンドを作ることです。失敗しても公平で当然だと感じられるものであるべきです。ラウンドをクリアすることは常に実現可能だと感じられるべきなのです!

私たちが新しいラウンドをチームに初めて提案する際には、常にこれらの基準のすべてを満たすようにしています。もし、最初の時点で基準を満たさない場合は?基準を満たすまで繰り返し磨きをかけるか、そうでなければその案は通りません。

次に皆さんがサンザンダードームで見たいラウンドについて考えるときは、それらが基準を満たしているか確かめてみてください。もしかすると、皆さんは天才的なアイデアを持っているかも

しれません!

「雪玉サバイバル」の場合は、チームとブレインストーミングを行い、巨大な雪玉を回避するという『Fall Guys』の基本的なコンセプトを模索しました。どのようなアプローチができるのか?それを特に面白くするにはどうするべきか?

大まかなアイデアが浮かんだら、それを具体的に説明して売り込むのが次のステップです。これは基本的に、チームの他のメンバーが議論できるように、ラウンドの核となるコンセプトを簡潔でわかりやすく説明した設計書です。重要なテーマや目的、どのようにしてプレイヤーがクリアまたは脱落するのか、どのような障害物があるのかなど、あらゆることが書かれています。嬉しいことに、プレイヤーが避けるべき危険な雪玉が入ったドームのアイデアをチームがとても気に入ったことで、「雪玉サバイバル」を開発する承認が得られたのです!唯一の重要な変更点は、現在ゲーム内で見られる壊れていく床が追加されたことでした。

制作 - コンセプトから作成まで

幸いなことに、「雪玉サバイバル」の地形は特に複雑ではありませんでした(『Fall Guys』のラウンドにしては…)雪玉がちょうどよい勢いで転がり、プレイヤーのプラットフォームがゆっくりと割れていくに従って、下のスライムが見えてくるようにするには、ドームのような設定が必要であることはすでにわかっていました。

そこで、私とエンジニアリングチームの仲間(ロスさんです!)は、最初のプロトタイプを作成する作業に取りかかりました。これには「雪玉サバイバル」の主要な構成要素である安定して転がる雪玉と、落下するプラットフォームでできる隙間を表す穴の開いた基本的な床が含まれています。

ドームの本質は、いくつかの微調整を除いて、制作の過程でほとんど変化しませんでした。

ところが、雪玉には少し問題があることが判明しました。私たちは、雪玉が常にアリーナを転がり続けるようにしたいと考えていましたが、物理演算的にはそうはいかなかったのです!

回転する物体がドームの中を転がる場合、自然と側面を移動するだけのサイクルになってしまうのです。それは正確な動きですが、プレイヤーにとっては楽しいものにはなりません。そこで私たちは、雪玉に別の方向から力を加えることで、ドームの中央に向かって転がり、大混乱を引き起こすことができるのではないかと考えました。ところが、結果的にこうなりました...

 

かなり高速で、ありきたりな動きの雪玉。退屈です。

私たちは、人工的な力と自然な転がりの適切なバランスを見つける必要がありました。雪玉の進路は、プレイヤーが戦術的に反応できるよう読み取りやすくする必要があります。予想外に暴れ回るようでは、あまりにも不公平に感じられるでしょう。

さらに、雪玉に与える意図的な「押し」があからさまにならないようにもしています。状況によっては、本当に奇妙な動きになってしまいます。

これを理解するのに時間を要しました。かなりの時間です。

さまざまな値の雪玉でプレイできるようにするのに必要なエンジニアリングの時間と、私たちが思い描いていたすべてのバージョンをテストしながら、実際に的確な値を見つけて調整する時間によって、私たちの作業はとても困難なものになりました。

数週間が経過し、チームは、難しすぎず簡単すぎない絶妙なスイートスポットを見つけることは、単に制作時間を長引かせるだけだと感じていました。「雪玉サバイバル」自体が完全に破棄されてしまうのではないかとすら思われました。

私たちは意を決して、もう一度だけ挑戦することにしました。

 

雪玉が不自然になったり予想がつく動きにならずアリーナの中央に向かうよう最終調整を行った結果、プレイテストの反応が劇的に上昇しました。

私たちはとても興奮しました!しかしもちろん、「雪玉サバイバル」の作業は、それだけが独立したものではありませんでした。外から見ると、一度にたった1つのラウンドだけに焦点を当てていると思われても仕方ありませんが、シーズンごとに複数の新しいラウンドを導入するためには、常に幅広い範囲で同時に取り組む必要があるのです。

雪玉が完成すると、それに合わせて床のパターンも完成させることができました。何度かテストを繰り返した後、現在のパターンに落ち着きました!

ラウンドを振り返って

ご覧の通り、『Fall Guys』のラウンドは決して一筋縄ではいきません!最終的にゲームで採用されるラウンドは、様々なバージョンを経てから、サンザンダードームに適していると判断されます。ゲーム開発の場合と同様、私やチームが実装したいと考える仕組みや斬新なアイデアは山ほどありますが、私たちが期待していたほどうまくプレイできない場合が多いのです。あるいは、予想外のハードルが存在し、プレイヤーにふさわしいと感じる体験を提供できない場合があるのも事実です。

しかし、新しいラウンドをプレイするたびに、皆さんと同じように、私たちは非常にワクワクした気分で期待を寄せています!私たちは皆さんに最高のラウンドを提供したいと考えており、そのために、一つ一つのラウンドが私たちの掲げる核となる「レベルの柱」の条件を満たしているかを確認し、徹底的にテストを行い版を重ねます。

「雪玉サバイバル」の開発秘話を楽しんでいただけたことを願っています。それでは、サンザンダードームでお会いするのを楽しみにしています!もしかすると、雪玉サバイバルで氷のタイルからあなたを突き落とすのは私かもしれませんよ…?